家づくりで、一番不安なのはお金だと思います。
- いくらかかるのか分からない
- 見積もりが正しいのか判断できない
- 後から追加費用が出ると聞いて怖い
しかも金額が大きいので、判断を間違えると数百万円変わることもあります。
このブログでは、お金まわりの記事を何本か書いてきました。この記事では、それらを家づくりの時間軸にそって整理します。
考える順番は、この4つです。
- 予算を決める:いくらで建てられるかを掴む
- 契約前に確認する:見積もりの中身を見る
- 建てる時に仕込む:後からでは高くつくものを押さえる
- 建てた後に備える:住んでからのお金を考える
この順で見ていけば、どこで損しやすいかが分かります。それぞれ整理します。
ステップ1:まず「予算」を掴む

最初にやるのは、いくらで建てられるかを掴むことです。
坪単価に振り回されない
予算の話で必ず出てくるのが坪単価です。でも、注文住宅の坪単価は、そのままでは当てになりません。
- 家はほぼ1点もの。キッチン1つで100〜300万円変わる
- 分母を「施工面積」にすると、坪単価は安く見える
- そもそも坪単価は、全部終わってから出る結果の数字
だから「坪単価◯万円」だけを見て判断すると、ズレます。
→ 詳しくはこちら:坪単価に振り回されるな
「◯◯円から」の本当の総額を知る
広告でよく見る「1,000万円台から」のような表記も、注意が必要です。
本体価格だけを指していることが多く、そこに外構、地盤改良、諸費用などが乗ってきます。本体は総額の70〜80%くらいが目安です。
→ 詳しくはこちら:HMの「◯◯円から」表記、本当の総額はどれくらい?
予算感をつかむコツ
実務的な話をすると、ハウスメーカーで予算感をつかんでから、地元の工務店に相談するという進め方があります。
ハウスメーカーの価格は、一つの物差しになります。そこで「この仕様ならこれくらい」という感覚を掴んでおくと、工務店との話もスムーズです。
ステップ2:契約前に「見積もり」を確認する

予算感が掴めたら、次は見積もりの中身です。ここが、一番お金が動くポイントです。
追加費用には、2種類ある
「見積もりより高くなった」という話はよく聞きますが、追加費用には性格の違いがあります。
- 事前に確定できないもの:地中障害(昔の瓦礫や大きな岩)、地盤改良など。掘ってみないと分からない
- 確認すれば防げるもの:照明器具、カーテンレール、インターフォン、カーポートなど
前者は仕方ないので予備費で備える。後者は契約前に確認すれば防げます。
「安いと思ったら、入ってないだけ」ということが本当にあります。見積もりを比べるときは、範囲を揃えて比べてください。
→ 詳しくはこちら:見積もりより高くなるのはなぜ?追加費用の正体
外構は、分離発注という手もある
ハウスメーカーに外構まで任せると、中間マージンが乗ることがあります。外構だけ別の業者に頼む(分離発注)ことで、100万円以上変わるケースもあります。
→ 詳しくはこちら:知らんと損する。ハウスメーカーで100万円以上安くなる「外構分離発注」
ステップ3:建てる時に「仕込む」

契約が済んだら、次は後からでは高くつくものを押さえます。
後付けできないものに、お金をかける
家には、後から足せるものと、後からでは高くつくものがあります。
たとえば食洗機。新築時に入れなければ、後から付けるときにキッチンごと交換になることもあります。最初から配管や電源を「仕込んで」おけば、将来の選択肢が残ります。
設備そのものより、仕込みにお金をかける。これが効きます。
→ 詳しくはこちら:食洗機は後付けでキッチンごと交換!?「仕込み」で防ぐ新築の後悔
性能は、上げればいいわけじゃない
断熱などの性能も、高ければ高いほどいい、とは限りません。
グレードを上げれば費用も上がりますが、効果が頭打ちになる部分もあります。極端に上げるより、バランスを取って、浮いた予算を他に回す方が賢いこともあります。
→ 詳しくはこちら:高断熱住宅、ハイスペックにすればいいわけじゃない
ステップ4:建てた後に「備える」

最後が、住んでからのお金です。ここを考えていない人が、一番多いです。
10年後に、出費の山が来る
新築から10年ほど経つと、外壁・屋根・給湯器・設備が、一斉に寿命を迎え始めます。最初の山場です。
ただ、この金額は家の作りで大きく変わります。庇があるかないか、外壁が何かで、塗り替えの時期も費用も違ってきます。
→ 詳しくはこちら:新築10年後、お金がかかる場所
「安心保証」が高くつくこともある
ハウスメーカーの保証制度は安心に見えますが、保証を続けるために指定業者の有償点検や工事が必要なことがあります。結果として、建てた後の方が高くつくケースもあります。
→ 詳しくはこちら:「安心保証」の罠。HMは建てた後の方が高くつく
修繕費は「枠」で備える
戸建てには、マンションのような修繕積立金の仕組みがありません。備えるかどうかは自分次第です。
どこがいつ壊れるかは読めないので、金額の内訳を考えるより、枠を用意しておく方が現実的です。あわせて、火災保険の内容を一度確認しておくと、いざというときの選択肢が増えます。
→ 詳しくはこちら:住宅の修繕費は「壊れてから」でいいのか
まとめ:損しない順番

長くなったので、整理します。
ステップ1:予算を掴む
- 坪単価はそのままでは当てにならない(1点もの、分母のトリック)
- 「◯◯円から」は本体価格だけのことが多い。本体は総額の70〜80%
- ハウスメーカーで予算感をつかんでから、工務店に相談する手も
ステップ2:契約前に見積もりを確認
- 追加費用は2種類。事前に読めないものは予備費で備える
- 読めるもの(照明、カーテンレール、カーポートなど)は確認すれば防げる
- 見積もりは「範囲を揃えて」比べる
- 外構の分離発注で、100万円以上変わることも
ステップ3:建てる時に仕込む
- 後からでは高くつくもの(配管、電源など)を押さえる
- 性能は上げればいいわけじゃない。バランスで考える
ステップ4:建てた後に備える
- 10年後に出費の山が来る。金額は家の作りで変わる
- 保証制度は、かえって高くつくこともある
- 修繕費は「枠」で備える。火災保険の確認も
家づくりのお金で損をする人は、知らないまま進んでしまった人です。悪質な業者に騙されたというより、「聞いておけばよかった」という後悔がほとんどです。
逆に言えば、順番と確認ポイントを知っているだけで、かなり防げます。
- 坪単価だけで判断しない
- 見積もりは範囲を揃えて比べる
- 後から高くつくものを先に押さえる
- 10年後の出費を、今から頭に入れておく
この4つを覚えておけば、大きく外すことはないと思います。
業界の中の人として、これからも施主が知らずに損する仕組みを、正直に伝えていきます。
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この記事で紹介した記事です。気になるところから読んでみてください。
予算を決める
契約前に確認する
建てる時に仕込む
建てた後に備える


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