家づくりで、窓はかなり悩むところです。
- どこに、いくつ付けるか
- どんな形の窓にするか
- ガラスやサッシのグレードは
しかも窓は、後から簡単には変えられません。位置も大きさも、建ててしまえばそのまま。だから、決める前にしっかり考えておきたいところです。
このブログでは、これまで窓について何本か記事を書いてきました。この記事では、それらをまとめて、施主が決めるべきことを順番に整理します。
考える順番は、この3つです。
- 種類と位置:どんな窓を、どこに付けるか
- 性能:ガラスとサッシのグレードをどうするか
- 暑さ対策:そもそも窓だけの問題なのか
この順で考えれば、窓の判断はそんなに難しくありません。それぞれ見ていきます。
ステップ1:まず「種類と位置」を決める

最初に考えるのは、どんな窓を、どこに付けるかです。
やめた方がいい窓がある
窓にはいろいろな種類がありますが、施工する側から見て「やめた方がいい」ものもあります。
見た目やカタログの印象だけで選ぶと、住んでから困ることになります。
- 掃除がしにくい
- 開け閉めが面倒で、結局開けなくなる
- 雨仕舞いの面で不利になる
こういう窓は、憧れだけで選ぶと後悔しやすいです。
→ 詳しくはこちら:憧れだけで選ぶな。やめた方がいい窓2つ
天窓(トップライト)は、特に慎重に
窓の中でも、僕が特に慎重になってほしいのが天窓(トップライト)です。
明るくなるのは確かですが、屋根に穴を開けるということでもあります。
- 雨漏りのリスクが上がる
- 夏は上から日差しが入って、かなり暑い
- 掃除もしにくい
雨漏りの記事でも書きましたが、屋根を貫通する設備は、それだけでリスクになります。「明るさがほしい」という目的なら、他の方法も検討してみてください。
→ 詳しくはこちら:天窓・トップライトはアカン
ステップ2:次に「性能」を選ぶ

種類と位置が決まったら、次はガラスとサッシのグレードです。
ガラスの枚数より、枠を見る
打ち合わせでは「ペアガラスか、トリプルガラスか」という話になりがちです。でも、本当に大事なのは枠(サッシ)の方です。
熱は、ガラスよりも枠から逃げます。だから、トリプルガラスにしても、枠がアルミのままだと、冬は枠の周りが結露します。
ガラスのグレードを上げる前に、枠の素材を確認してください。
標準的な地域なら「複合サッシ+ペアガラス」で十分
じゃあ、どのグレードを選べばいいか。
極端な寒冷地でなければ、複合サッシ(外アルミ+内樹脂)+ペアガラス(Low-E)で十分だと思います。
トリプルガラスは、高いうえに重く、開け閉めも大変です。費用対効果で考えると、標準的な地域では過剰になりやすい。浮いた予算を、他の後悔ポイントに回す方が賢いと思います。
→ 詳しくはこちら:窓は「ガラスの枚数」より「枠」を見ろ
ステップ3:暑さは、窓だけの問題じゃない

最後に、よくある誤解について。
「西日が暑い」の本丸は、屋根
「夏、家が暑い」というと、多くの人が窓のせいだと考えます。西日が入る窓を小さくしよう、遮熱ガラスにしよう、と。
もちろん窓も影響しますが——本当の原因は、屋根であることが多いです。
真夏、屋根は直射日光を浴び続けて高温になります。その熱が、屋根を通って室内に伝わってくる。窓からの日差しより、屋根からの熱の方が大きいことが多いんです。
だから、窓だけ高性能にしても限界がある
ここが大事なところです。
窓のグレードを上げれば、多少は快適になります。でも、屋根の断熱がイマイチなら、効果は限られます。
- 窓だけトリプルガラスにする
- でも屋根の断熱は標準のまま
これだと、お金をかけた割に「あんまり変わらんな」となりがちです。家全体のバランスで考えることが大事です。
→ 詳しくはこちら:西日が暑いのは「窓」のせいじゃない
まとめ:施主がやるべきこと

長くなったので、窓の考え方をもう一度整理します。
窓は「種類と位置 → 性能 → 全体のバランス」の順で考える
ステップ1:種類と位置を決める
- 憧れだけで選ばない(掃除や開閉のしやすさも考える)
- 天窓は特に慎重に(雨漏りリスク、夏の暑さ)
ステップ2:性能を選ぶ
- ガラスの枚数より、枠(サッシ)の素材を見る
- 標準的な地域なら、複合サッシ+ペアガラスで十分
- トリプルは高い・重い・開け閉めが大変
ステップ3:暑さは窓だけの問題じゃない
- 夏の暑さの本丸は、屋根
- 窓だけ高性能にしても、効果は限られる
- 家全体のバランスで考える
窓は、打ち合わせで「どれにしますか」と聞かれることが多い部分です。でも、この3ステップを頭に入れておけば、自分の考えを持って判断できます。
- 「掃除や開け閉めのしやすさも考えたい」
- 「ガラスより、枠の素材を教えてほしい」
- 「屋根の断熱はどうなってますか」
これだけ言えれば、十分です。
窓は、家の印象も快適さも左右する部分です。でも、高ければいいというものではありません。何が効いて、何が効かないのかを知っておくこと。それが、後悔しない一番の近道だと思います。
業界の中の人として、これからも施主が知らずに損する仕組みを、正直に伝えていきます。
窓について、もっと詳しく
この記事で紹介した、窓シリーズの記事です。気になるところから読んでみてください。


コメント