豪華設備より、これ。現場が選ぶ「地味に暮らしが楽になる」設備

地味に暮らしが楽になる設備 アイキャッチ 設計・間取り

家づくりで設備を選ぶ時、つい「豪華なもの」「見栄えのするもの」に目が行きますよね。

  • タンクレストイレ
  • タッチレス水栓
  • ピカピカのシステムキッチン

もちろん、そういう設備もいいものです。でも、現場でたくさんの家を見てきて、そして自分自身が家に住んでみて思うのは——

暮らしを本当に楽にするのは、もっと「地味な」ところだったりするんです。

派手さはないけど、毎日の生活で「あぁ、これ付けといてよかった」とじわじわ効いてくる。そういう設備が、実はいくつもあります。

今回は:

  • 定番だけど、現場の人間も本当に付けてる設備
  • そして本題:地味やけど、暮らしがめちゃくちゃ楽になる設備

を、現場目線で正直にお伝えします。豪華カタログには載らない、でも住んでから効いてくる話です。

「設備、何を優先しよう」と悩んでる施主さん、派手なものに予算を吸われる前に、読んでください。

まず、定番だけど「本当にいい」設備

定番の人気設備は現場の人間も実際に付けている

最初に、いわゆる「付けて良かった設備ランキング」の常連を挙げます。定番すぎて逆に疑いたくなるかもですが、現場の人間も、実際に自分の家に付けてる——それくらい、本当にいいものです。

ガレージの電動シャッター(リモコン操作)

車を停めるガレージのシャッター、電動でリモコン操作できるタイプは、本当に付けて良かったと思う設備のひとつです。

  • 車に乗ったまま、リモコンでシャッターを開閉できる
  • 雨の日、いちいち降りて手で開けなくていい
  • 防犯面でも安心

手動シャッターの「降りて、開けて、また乗って」の手間がゼロになる。毎日のことなので、この差は大きいです。

浴室乾燥暖房機

浴室乾燥暖房機も、定番ですが実用性が高い。

  • 雨の日や花粉の時期、浴室で洗濯物が乾かせる
  • 冬、入浴前に浴室を暖められる(ヒートショック対策にも)
  • カビ対策にもなる

「乾燥」「暖房」の両方が、日常でしっかり効きます。

室内物干し(ホスクリーンなど)

室内に洗濯物を干せる設備(ホスクリーンなど、天井から下ろせるタイプ)も人気で、実際に便利です。

  • 雨の日、花粉の時期でも部屋干しできる
  • 使わない時は収納できて、邪魔にならない

……と、ここまでは正直「よくあるランキング」と同じです。笑 定番は定番で本当にいいんですが、ここからが今回の本題です。

【本題】地味やけど、暮らしが楽になる設備

地味だが暮らしを楽にする設備がある

ここからが、現場目線で「これ、地味やけどめっちゃ効くで」という設備です。豪華なランキングには載らないけど、住んでからじわじわ効いてくるものたち。

①玄関の「幅広のひさし」

まず、玄関のひさし(屋根の出っ張り)を、幅広にすること。これ、地味やけど、雨の日に無茶苦茶役立ちます。

  • 玄関前で、傘をさす・たたむ時に濡れない
  • 鍵を開ける間、雨に打たれない
  • 荷物の出し入れ、宅配の受け取りが濡れずにできる
  • 子供やお年寄りが、玄関前でゆっくり動ける

ひさしが狭いと、雨の日は玄関前でずぶ濡れになりながら鍵を開けることになります。幅広なら、そのストレスがゼロ。

出幅は、最低でも900mm(90cm)は欲しいところ。広ければ広いほど快適です。

ひさしにこだわらず「玄関をセットバック」する手も

ひさしを大きくする以外に、もうひとつ手があります。玄関だけ、少し引っ込めた(セットバックした)間取りにすることです。

  • 玄関を建物の内側に引っ込める
  • すると、上の階や屋根が自然に「深いひさし」の役割をする
  • わざわざ大きなひさしを付けなくても、雨に濡れない玄関になる

間取りの工夫だけで、ひさしと同じ効果が得られる。設計の段階で「玄関、少し引っ込められますか?」と相談してみるのもおすすめです。

②アプローチに「階段+スロープ」の両方

高低差のある土地で、玄関までのアプローチに段差がある場合。階段だけじゃなく、スロープも一緒に付けておくと、これが意外と楽です。

「スロープって、ベビーカーの時期だけちゃうの?」と思うかもしれません。でも、違うんです。

  • 子供が小さい時:ベビーカーで断然ラク
  • 子育てが終わっても:買い物の荷物を運ぶ時に楽
  • 旅行の時:スーツケースをゴロゴロ運べる
  • そして、ちょっとしたことだけど、普通に歩きやすい

スロープは「ベビーカー時期の一時的な設備」と思われがちですが、実際はずっと役立ちます。重いものを運ぶ場面は、人生でずっと続きますから。階段とスロープ、両方あると、その日の荷物や状況で使い分けられて便利です。

③2階ベランダの「水栓」

意外と見落とされるけど、地味に便利なのが、2階のベランダに水栓(蛇口)を付けておくことです。

  • 2階の窓や網戸の掃除に、水がすぐ使える
  • ベランダ自体の掃除が、かなり楽になる
  • わざわざ1階から水を運ばなくていい

流し台(シンク)までは要りません。壁から水栓をポンと出しておくだけで十分。それだけで、2階まわりの掃除の手間がぐっと減ります。

排水も、心配いりません。ベランダには、もともと雨水を流すための排水口があります。水拭きや水を流す程度の掃除なら、その水はそこに流れていくので、特別な排水工事も不要です。

ただし、洗剤を使って掃除する場合は注意が必要です。洗剤の入った水は、雨水用の排水口に流してはいけません。雨水の排水口は、そのまま側溝や川へつながっていることが多いからです。洗剤を使う前提なら、汚水配管にきちんと接続された排水を用意しておく必要があります。「ベランダで洗剤も使いたい」という場合は、打ち合わせの段階で、その旨を業者に伝えておいてください。

なぜ「地味な設備」が効くのか

地味な設備は毎日の暮らしで効いてくる

ここで、少し考え方の話を。

派手な設備は「たまに」、地味な設備は「毎日」

豪華な設備って、意外と「たまにしか使わない」ものが多いんです。

  • 立派な設備でも、使う頻度が低ければ、満足度は上がりにくい
  • 一方、ひさしやスロープは、雨のたび・出入りのたびに効く

毎日、何度も効く設備は、金額の割に満足度が高い。地味だけど、暮らしの質にじわじわ効いてくるんです。

「後から付けにくい」ものこそ、新築時に

そして、今回挙げた設備の多くは、後から付けるのが難しい・高くつくものです。

  • 幅広のひさし、玄関のセットバック → 建てる時じゃないと無理
  • アプローチのスロープ → 外構をやり直すことになる
  • 2階の水栓 → 後から配管を通すのは大変

過去の記事「食洗機は後付けでキッチンごと交換!?」でも書きましたが、「後から付けにくいもの」ほど、新築の段階で仕込んでおくのが正解です。豪華な設備は後からでも足せますが、こういう地味な工夫は、最初がチャンスです。

予算は「毎日効くもの」に回す

限られた予算の中で、何を優先するか。僕のおすすめは——

派手さより、毎日効く地味なものを優先する。

豪華な設備に予算を吸われる前に、「幅広のひさし」「スロープ」「2階の水栓」みたいな、地味だけど毎日効くものにお金を回す。その方が、住んでからの満足度は高くなります。

まとめ

地味に暮らしが楽になる設備を優先する

長くなったので、まとめます。

定番だけど、本当にいい設備

  • ガレージの電動シャッター(リモコン操作)
  • 浴室乾燥暖房機
  • 室内物干し(ホスクリーンなど)

【本題】地味やけど、暮らしが楽になる設備

  • ①玄関の幅広のひさし(出幅900mm以上)
  • ひさしにこだわらず「玄関セットバック」でもOK
  • ②アプローチに階段+スロープ両方
  • ベビーカーだけでなく、買い物・旅行でもずっと役立つ
  • ③2階ベランダの水栓
  • 掃除が楽に、流し台は不要、水を流す掃除なら排水は既存の雨水口でOK
  • ただし洗剤を使うなら、汚水配管に接続した排水が必要

なぜ地味な設備が効くのか

  • 派手な設備は「たまに」、地味な設備は「毎日」効く
  • 後から付けにくいものこそ、新築時に仕込む
  • 予算は「毎日効くもの」に回す

家づくりの設備選びは、つい豪華なもの・見栄えのするものに目が行きます。でも、住んでから毎日の暮らしを楽にしてくれるのは、こういう地味な工夫だったりします。

派手なカタログに載らないけど、雨のたび、出入りのたび、掃除のたびに「あぁ、付けといてよかった」と思える。そういう設備に、ぜひ目を向けてみてください。

業界の中の人として、これからも施主が知らずに損する仕組みを、正直に伝えていきます。

次回予告

次回も、現場で見てきた情報を、施主目線で翻訳してお届けします。

もしまだ読んでない方は、過去の記事もぜひ:

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