前回の記事「新築10年後、お金がかかる場所」で、少しだけ触れた「飛び込み営業」の話。「別の記事で詳しく書きます」と予告していたので、今回、ちゃんと書きます。
家を建てて住み始めると、必ずと言っていいほど、こういう訪問があります。
- 「無料で点検させてもらえませんか?」
- 「近所で工事をしてまして…」
- 「お宅の屋根、瓦がずれてますよ」
こういう飛び込み営業。応じていいのか、断っていいのか、迷いますよね。特に「無料で」「親切に」来られると、無下にもしづらい。
でも、現場でこの業界を長く見てきた立場から、はっきり言います。
飛び込み営業は、全部断ってOKです。
迷う必要はありません。理由と、具体的な手口、そして自衛策を、正直にお伝えします。
今回は:
- 飛び込み営業を全部断っていい理由
- よくある手口①「時間をかけて信用させる」
- よくある手口②「自作自演で不安を煽る」
- 具体的な断り方
- 本当の正解「家のかかりつけ医」を持つこと
を、現場目線でお伝えします。
「飛び込み営業、どう対応したらええん?」と悩んでる方、この記事で、もう迷わなくなります。
飛び込み営業は、全部断ってOK

まず、結論から。迷わせないために、はっきり言います。
迷わなくていい、全部断っていい
家に飛び込みで来る営業は、基本的に全部断ってOKです。
「でも、もし本当に親切な業者だったら…」と思うかもしれません。その気持ちは分かります。でも、後で詳しく書きますが、信頼できるまともな業者は、そもそも飛び込み営業なんてしません。
だから、「飛び込みで来た」という時点で、警戒していい。断ることに、罪悪感を持つ必要はまったくありません。
「万一いい業者でも」断っていい理由
仮に、飛び込みで来た業者の中に、ごくまれに親切な会社があったとしましょう。
それでも——わざわざ、そんな賭けみたいなリスクを背負う必要はありません。笑
- 飛び込み営業の大半は、警戒すべき相手
- その中から「当たり」を引こうとする必要はない
- 断って失うものは、何もない
「いい業者かもしれない」という小さな可能性のために、「高額なものを売りつけられる」大きなリスクを取る。これ、割に合いません。全部断る。それでいいんです。
手口①「時間をかけて信用させる」

では、なぜ飛び込み営業が危ないのか。実際の手口を知ると、よく分かります。まず一つ目。時間をかけて、じっくり信用させる手口です。
最初は「無料の親切」から始まる
よくあるパターンは、こういう流れです。
- 飛び込みで来て「何か家で困ってることないですか?」と尋ねる
- その場でできる簡単な修理を、無料で直してくれる
- 「またなんかあったら言うてくださいね」と、一旦帰る
この時点では、何も売りつけてきません。「親切な業者やな」という印象だけが残ります。
何度も顔を出して、「いい人」と思わせる
そして、ここからが巧妙です。
- 1ヶ月後くらいに「近所まで来たので、その後どうですか?」と顔を出す
- 世間話をして、また帰る
- これを何度か繰り返す
こうやって、時間をかけて仲良くなり、「いい人」だと信用させていく。回数を重ねるほど、「あの親切な人が、悪いことするわけない」と思い込んでしまいます。
信用させてから、高額リフォームへ
そして、十分に信用させたところで、本題を切り出してきます。
- 「実は、基礎にヒビが入ってるんですよ」
- 「床下にシロアリがいるみたいで…」
- 「瓦が割れてるので、このままだと雨漏りします」
そして、高額なリフォーム工事の契約へこぎつける。
この手口が怖いのは、時間をかけて信用させてるから、見抜きにくいこと。単発の詐欺なら「怪しい」と思えても、「何度も来てくれた親切な人」の言うことは、つい信じてしまう。情が湧いてしまってるんです。
手口②「自作自演で不安を煽る」

もう一つ、さらに悪質な手口があります。自分で壊して、不安を煽るやり方です。これは、一部の特に悪質な業者の話ですが、知っておく価値があります。
屋根に上がって、自分で瓦を割る
これは本当に酷いんですが、こういうケースがあります。
- 「無料で屋根を点検します」と言って、屋根に上がる
- 屋根の上を歩き回りながら、自分で瓦やカラーベスト(スレート)を割る
- 割れた箇所の写真を撮る
- 「ほら、こんなに割れてます。このままだと雨漏りしますよ」と不安を煽る
自分で壊しておいて、それを「問題」として見せる。完全な自作自演です。
床下も同じ。シロアリ商法の手口
床下でも、同じことが起きます。
- 「無料で床下を点検します」と言って、床下に潜る
- 床下の写真を撮る(場合によっては細工をする)
- 「シロアリがいます」「土台が腐ってます」と不安を煽る
シロアリ駆除の悪質な営業も、この手口を使うことがあります。
なぜ騙される?施主は屋根も床下も見れないから
なぜ、こんな手口が成立するのか。答えはシンプルです。
施主は、屋根も床下も、自分では見れないからです。
- わざわざハシゴをかけて、屋根に上がったりしない
- 床下に潜って確認したりも、まずしない
- だから、業者が「割れてます」「腐ってます」と写真を見せてきたら、信じるしかない
ここが、施主にとって最大の盲点です。自分で確認できない場所だからこそ、業者の言いなりになりやすい。悪質な業者は、まさにそこを狙ってきます。
こんな飛び込み営業に注意

具体的に、どんな飛び込み営業が来がちか、挙げておきます。「これが来たら警戒」というリストです。
「点検」系は特に注意
- シロアリの点検・駆除
- 屋根瓦・スレートの割れ点検
- 基礎のひび割れ点検
- 排水の詰まり・高圧洗浄
「無料で点検します」と言って、屋根や床下に上がろうとするパターン。前に書いた自作自演の手口が使われやすいので、特に注意です。
「設備の営業」系も
- 太陽光発電の営業
- 蓄電池の営業
- 給湯器の営業
- 外壁塗装の営業
これらも、飛び込みで来ることが多い業種です。「今だけキャンペーンで」「近所でも設置されてます」といったトークで、契約を急がせてきます。
どれも共通してるのは、向こうから、突然、家にやってくるということ。この時点で、まず警戒でいいです。
具体的な断り方

じゃあ、実際にどう断るか。具体的な自衛策です。
まずは「インターフォン越し」に断る
一番いいのは、インターフォン越しに、玄関を開けずに断ることです。
- 「うちは結構です」
- 「間に合ってます」
- ときっぱり言って、それで終わり
顔を合わせないのが、一番ラクで安全。玄関を開けてしまうと、話が長引いて、断りにくくなります。インターフォンの段階で、シャットアウトするのがベストです。
対面になっても「家に入れない」
もし玄関を開けて対面になってしまっても、絶対に家の中に入れないでください。
- 「点検させてください」と言われても、断る
- 屋根に上がらせない、床下に潜らせない
- きっぱり「結構です」と言って、帰ってもらう
一度、家の中や屋根・床下に入れてしまうと、自作自演の手口が使われるリスクが出ます。敷地に入れない、家に入れない——これを徹底してください。
罪悪感はいらない
断る時、「冷たいかな」「悪いかな」と思う必要は、まったくありません。
向こうは営業のプロで、断られることには慣れてます。こちらが情を感じる必要はないんです。きっぱり断ることが、自分と家族を守る。それでいいんです。
本当の正解は「家のかかりつけ医」を持つこと

飛び込み営業を全部断るとして、「じゃあ、家に何かあった時どうするの?」と思いますよね。ここに、本当の正解があります。
地元の信頼できる工務店を見つける
答えは、地元の信頼できる工務店を、一つ見つけておくことです。
- 家に何かあったら、そこに相談する
- 飛び込み営業に頼る必要が、そもそもなくなる
- 信頼できる相手が一つあれば、怪しい業者は全部断れる
見つけ方は、知り合いに紹介してもらうのが確実です。実際に建ててもらった人、頼んだ人の話は、何より信頼できます。
「家のかかりつけ医」という考え方
僕がよく思うのは、家も、お医者さんと一緒だということ。
体の調子が悪い時、いきなり飛び込みで来た知らない医者に診てもらったりしませんよね。かかりつけ医がいて、何かあったらまずそこに相談する。信頼できるからこそ、安心して任せられる。
家も同じです。「家のかかりつけ医」みたいな工務店を持っておく。何かあったら、まずそこに相談する。これが、家を長く安心して維持していく、一番の方法です。
だから「地元で長くやってる工務店」で建てる
そう考えると、新築を建てる段階から、大事なことが見えてきます。
地元で長くやってる工務店で家を建てれば、その工務店が、そのまま「家のかかりつけ医」になる。
- 建ててくれた工務店だから、家のことを一番よく知ってる
- 何かあった時、すぐ相談できる
- 長い付き合いになる
家は建てて終わりじゃなく、そこから何十年も付き合うもの。建てる時から「長く付き合える相手か」を意識して選ぶ。それができれば、飛び込み営業に惑わされることも、なくなります。
まとめ

長くなったので、まとめます。
飛び込み営業は、全部断ってOK
- 迷わなくていい、全部断っていい
- まともな業者は、そもそも飛び込みしない
- 「万一いい業者でも」賭けるリスクは不要
手口①「時間をかけて信用させる」
- 無料の親切から始まり、何度も顔を出す
- 「いい人」と思わせてから、高額リフォームへ
- 情が湧くから、見抜きにくい
手口②「自作自演で不安を煽る」
- 屋根に上がって、自分で瓦を割る
- 床下に潜って写真を撮る(シロアリ商法)
- 施主は屋根も床下も見れないから、言いなりに
具体的な断り方
- インターフォン越しに断るのが最善
- 対面でも、家・屋根・床下に絶対入れない
- 罪悪感はいらない、きっぱり断る
本当の正解「家のかかりつけ医」
- 地元の信頼できる工務店を見つける
- 知り合いの紹介が確実
- 地元で長くやってる工務店で建てれば、そのまま主治医に
家に、突然やってくる営業。無料や親切を装っていても、全部断ってOKです。迷う必要はありません。
そして、本当に大事なのは、信頼できる「家のかかりつけ医」を持っておくこと。それさえあれば、怪しい飛び込み営業は、全部きっぱり断れます。
家は、一生付き合うもの。だからこそ、信頼できる相手を、大切にしてください。
業界の中の人として、これからも施主が知らずに損する仕組みを、正直に伝えていきます。
次回予告
次回も、現場で見てきた情報を、施主目線で翻訳してお届けします。
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