家づくりが始まると、「現場監督」という人が出てきます。
でも正直なところ、施主から見ると——
- 何をしている人なのか、よく分からない
- 現場でたまに見かけるけど、いつもいるわけじゃない
- 何を相談していいのかも、分からない
そんな存在かもしれません。
僕は、その現場監督(施工管理)をずっとやってきた人間です。今回は、中の人として本音で:
- 現場監督は、実際に何をしているのか
- 現場にどれくらい来るものなのか
- 施主は、どう付き合えばいいのか
をお伝えします。役割が分かると、家づくりの途中で「誰に何を言えばいいか」が見えてきます。
現場監督の仕事、一番は「段取り」

4つの管理をしている
現場監督の仕事は、よく「4大管理」と言われます。
- 工程管理:工事を予定通りに進める
- 品質管理:図面通り、決められた品質で作る
- 安全管理:事故なく工事を終える
- 原価管理:決められた予算の中で工事を進める
どれも欠かせない仕事です。
中でも大事にしているのは「工程管理」
その上で、僕が個人的に一番大事にしているのが工程管理、つまり段取りです。
家づくりには、大工、電気屋、水道屋、内装屋など、たくさんの職人さんが関わります。誰がいつ入って、材料がいつ届いて、次の工程にいつ渡すか。
この段取りが悪いと、現場が回りません。職人さんが来たのに材料がない、前の工程が終わっていない——そうなると、職人さんの手を止めてしまうことになります。
逆に、工程通りに工事が進むと、ロスが少ない。そして正直、気持ちいいです。笑 これは個人的な感想ですが、段取りがきれいにハマった現場は、仕上がりもいいことが多いと感じます。
現場にどれくらい来るもの?

施主の方から、一番よく聞かれるのがこれです。「現場監督って、あんまり現場にいないけど大丈夫?」
僕は「行ける日は顔を出す」
僕の場合は、行ける日はちょっとでも顔を出すようにしています。
理由は、職人さんとのコミュニケーションが、現場の仕上がりを左右すると思っているからです。顔を合わせて話すことで、図面だけでは伝わらない細かい部分が共有できる。小さな違和感にも、早く気づけます。
会社の仕組みによっても違う
ただ、これは会社の仕組みによっても変わります。
たとえばハウスメーカーの場合、僕の経験では、現場監督が現場にずっといる姿は、あまり見かけません。ただ、ハウスメーカーは部材の多くが工場で作られ、工程も事前にしっかり組み込まれています。慣れた職人さんが現場で調整しているケースも多いはずです。
僕も内部の事情まで詳しいわけではありませんが、仕組みが違うので、現場にいる時間が短いこと自体が悪い、というわけではないと思います。
何件抱えているかも、人それぞれ
現場監督は、複数の現場を同時に担当するのが普通です。何件まで見られるかは、その人のキャパシティや、着工時期が重なっているかどうかで変わるので、一概には言えません。
ハウスメーカーのように、工場生産が多く、設備も契約段階で細かく決まっている仕組みなら、ある程度の件数を並行して見ることもできると思います。
施主は、何でも相談していい

ここは、施主の方にぜひ伝えたいところです。
モヤモヤしたまま、引き渡しを迎えない
「こんなこと聞いていいのかな」「細かいことを言うと嫌がられるかな」——そう思って、遠慮してしまう施主さんは多いです。
でも、基本的には、何でも気にせず相談してください。
気になったことを飲み込んだまま工事が進むと、モヤモヤしたまま引き渡しを迎えて、モヤモヤしたまま新生活をスタートすることになります。それが一番もったいない。笑
- 図面と違う気がする
- ここの高さ、これで合ってる?
- 工事がどこまで進んでいるか知りたい
こういうことは、現場監督に聞いてもらうのが一番です。
ただ、「原価」を聞かれると困る
一つだけ、正直に言うと困ることがあります。原価を聞かれることです。笑
ここは線引きしておきます。
- 見積もりの内容や内訳を確認する → まったく問題ありません
- 業者の仕入れ値(原価)を聞く → これは答えにくいです
見積もりに何が含まれているか、どこにいくらかかっているかを確認するのは、施主として当然のことです。ただ、「この材料、いくらで仕入れてるの?」となると、会社の経営の話になるので、現場監督としては困ってしまいます。
まとめ:いい現場監督の見分け方

最後に、よく聞かれる「いい現場監督の見分け方」について。
資格や知識だけでは分からない
正直に言うと、見分けるのは難しいです。笑
一級建築士の資格を持っていても、現場がトラブルだらけ、という話もよく聞きます。知識がたくさんあるから、いい現場監督だとも限りません。
一つ言えるのは「率先して動いているか」
その上で、一つだけ言えることがあります。
監督自ら、率先して片づけや作業をしているかどうかです。
現場の片づけは、地味な仕事です。でも、それを自分からやる監督の現場は、職人さんとの関係も良く、段取りもきちんとしていることが多いと感じます。現場を見に行ったとき、きれいに片づいているか、監督がどう動いているか。そこに、人柄が出ると思います。
まとめると:
- 現場監督の仕事は4大管理、中でも要は段取り
- 現場に来る頻度は、考え方や会社の仕組みで違う
- 施主は何でも相談していい(ただし原価は困る笑)
- いい監督は、率先して片づけや作業をしている
現場監督は、施主と職人さんをつなぐ役です。遠慮せず、どんどん話しかけてください。その方が、お互いにとっていい家づくりになります。
業界の中の人として、これからも施主が知らずに損する仕組みを、正直に伝えていきます。


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