前回、物置の記事を書きました。基礎の作り方や、置いてはいけない場所の話です。
その最後に、こう書きました。「小さいサイズの物置なら、そもそも要るか考えてみてください」と。
じゃあ、どうすればいいのか。今回はその答えです。
外で使うものの置き場所は、設計の段階で決めておく。
タイヤも自転車も園芸用品も、家を建てる前に「どこに置くか」を考えておけば、後から物置を買う必要がないかもしれません。
今回は:
- まず、外で使うものを書き出すこと
- おすすめは「玄関横の土間スペース」
- コストは金額より「支払い方」で考える
を、現場目線でお伝えします。
まず、外で使うものを書き出す

設計の打ち合わせでは、部屋の広さや間取りの話が中心になります。でも、その前にやってほしいことがあります。
何を外に置くことになるか
今の生活で、外に置いているものを書き出してみてください。
よくあるのは、この辺りです。
- タイヤ(スタッドレスに履き替える地域なら必須)
- 自転車
- 園芸用品、土、肥料
- 脚立
- アウトドア用品
- 子供の外遊び用品、ベビーカー
- 灯油タンク
意外と多いはずです。しかも、どれも家の中には置きにくいものばかり。
「なんとかなる」が一番あぶない
打ち合わせで、こういう話はあまり出てきません。間取りや設備の話に時間を取られて、外で使うものは後回しになりがちです。
そして、住んでから気づきます。「これ、どこに置こう」と。
結果、後から物置を買うことになる。庭に置き場所を探すことになる。最初から考えておけば、もっといい場所に収まったかもしれないのに、です。
おすすめは「玄関横の土間スペース」

では、具体的にどうするか。現場でいろんな家を見てきて、僕が一番いいと思う形です。
外から出入りできる、土間のままのスペース
玄関の隣あたりに、土間のままのスペースを作る。これが使いやすいです。
ポイントは「外から出入りできる」こと。庭や駐車場から、直接出し入れできる位置にあると便利です。
土間のままなので、汚れたものもそのまま置けます。タイヤも自転車も、土のついた園芸用品も、気にせず入れられる。
中からも入れたら、なお良い
さらに言うと、家の中からも入れるようにしておくと、使い勝手がぐっと上がります。
- 外から:タイヤや自転車を出し入れ
- 中から:雨の日でも濡れずに取りに行ける
玄関から直接入れる形にしておけば、両方の動線が生きます。
外部の建具は、引き違い戸が使いやすい
外から出入りする部分の建具は、引き違い戸(横にスライドする戸)がおすすめです。
開き戸だと、開けたときに扉のスペースが必要になります。手がふさがっているときも、開けにくい。引き違いなら、横にスライドするだけなので、荷物を持ったままでも出入りしやすいです。
予算があるなら、ガレージという手も
もう少し予算をかけられるなら、間口の大きいガレージが最強です。
- 車を入れても、周りに物を置ける
- 雨にも濡れない
- 防犯面でも安心
さらに、電動シャッターにしておくと快適です。以前「付けて良かった設備」の記事でも書きましたが、車に乗ったままリモコンで開閉できるのは、毎日のことなので本当に楽です。
ガレージがあれば、物置は不要になることが多いです。
コストは「金額」より「支払い方」

「でも、そんなスペースを作ったら高くつくのでは?」と思いますよね。ここが、今回一番お伝えしたいところです。
設計で作れば、ローンに乗る
確かに、土間スペースやガレージを作れば、建築費は多少上がります。
ただ、それは住宅ローンに含まれます。何千万円という総額の中に溶け込むので、月々の支払いで見ると、負担感はそこまで大きくありません。
物置は、後から現金で買うことになる
一方、物置はどうでしょうか。
住み始めてから、現金で買うことになります。しかも、こういう状況で、です。
- 引っ越し費用がかかった
- 家具や家電を買い替えた
- 新しい支払い(ローン)が始まったばかり
一番お金が出ていく時期に、またまとまった出費です。物置本体に加えて、基礎やアンカーの工事費もかかります。
同じ出費でも、タイミングが違う
つまり、こういうことです。
- 設計で作る → ローンに含まれる → 月々の支払いに溶ける
- 後から物置 → 現金払い → 一番きつい時期にまとまった出費
金額の大小だけでなく、「いつ、どう払うか」も考えてみてください。
ちなみに、どうしても物置が必要なら、新築の見積もりに最初から入れてもらうという手もあります。笑 そうすれば、物置もローンに含められます。
できないケースもある

ここまで書いてきましたが、どの家でもできるわけではありません。
敷地が狭いと、どちらも厳しい
正直に書いておきます。
- 極小の土地
- 駐車スペースが1台しか取れないような敷地
こういう場合は、土間スペースも物置も、どちらも厳しいです。限られた面積の中で、居住スペースを優先せざるを得ません。
その場合は、優先順位をつける
敷地に余裕がないなら、割り切りも必要です。
- 本当に外に置かないといけないものだけに絞る
- 室内の収納を工夫して、できるだけ中に収める
- 小さめの物置を、新築の見積もりに入れておく
全部は無理でも、何を優先するかを決めておけば、後から慌てずに済みます。
まとめ

まとめます。
まず、外で使うものを書き出す
- タイヤ、自転車、園芸用品、脚立、アウトドア用品など
- 「なんとかなる」で後回しにすると、住んでから困る
おすすめは玄関横の土間スペース
- 外から出入りできる、土間のままのスペース
- 家の中からも入れると、なお使いやすい
- 外部の建具は引き違い戸が便利
- 予算があれば、間口の大きいガレージ(電動シャッター推奨)
コストは「支払い方」で考える
- 設計で作る → ローンに含まれる
- 後から物置 → 一番きつい時期に現金でまとまった出費
- どうしても物置が必要なら、新築の見積もりに入れる手も
できないケースもある
- 極小の土地、駐車1台の敷地では、どちらも厳しい
- その場合は優先順位をつけて割り切る
家づくりの打ち合わせでは、どうしても部屋や設備の話が中心になります。でも、外で使うものの置き場所も、立派な設計の一部です。
「どこに置くか」を先に決めておけば、後から物置を買う必要も、庭に置き場所を探す必要もなくなります。考えるのはタダなので、一度書き出してみてください。
業界の中の人として、これからも施主が知らずに損する仕組みを、正直に伝えていきます。
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