引き渡しが近づいてきた施主さんへ。
過去の記事「上棟後の工程、施主はどこまで見るべき?」では、こんなことを書きました:
「信頼できる業者を選べてるなら、工事中は細かくチェックしなくて大丈夫」
これ、今でも同じ考えです。
ただ、引き渡しの直前だけは別。ここは、施主さんがしっかり確認すべきタイミングです。
理由はシンプル。引き渡し後だと、対応が変わってしまうからです。
引き渡し前に気づく → その場で対応してもらえる
引き渡し後に気づく → 「自分でつけた傷?」と疑われる可能性も
「最後の機会」だからこそ、しっかり確認しておく必要があります。
ただ、引き渡し前に確認すべきことは、意外と多いんです。1記事にまとめると長くなりすぎるので、2記事に分けてお伝えします。
今回は前編。
- 保証内容の再確認
- 目に見える傷の確認(外壁・床・壁)
「もうすぐ引き渡しだけど、何を確認すればええんやろ」って施主さん、必読です。

なぜ「引き渡し前」が大事なのか
まず、なぜ引き渡し前の確認が大事なのか整理します。
工事中と引き渡し前は、別物
過去の記事「上棟後の工程、施主はどこまで見るべき?」で書いた通り、工事中は信頼できる業者に任せていいんです。
- プロが見ても素人が見ても、判断できる差は少ない
- 業者選びの段階で勝負は決まってる
これは、今でも同じ考えです。
ただ、引き渡し前は事情が違います。
- 「完成品」を施主が確認できる、最後のタイミング
- 引き渡し後だと、対応が変わる
- 保証内容も、ここで確認しないと後で揉める
「工事中は任せる、引き渡し前は確認する」——これが、施主のスタンスとしてバランスがいいです。
引き渡し後だと、対応が変わる
これ、施主さんが見落としがちな点。
引き渡し前に気づいた傷や不具合は、業者がその場で対応してくれます。
でも、引き渡し後だと:
- 「自分でつけた傷ですか?」と疑われる可能性
- 対応が遅れる
- 保証範囲かどうかで揉める
引き渡しの瞬間を境に、業者の対応が変わるんです。
「最後の機会」と意識する
引き渡しは、施主が業者と一緒に家を確認できる最後の正式な機会です。
「今日が最後」と意識して、しっかり時間をかけて確認してください。
業者から「1時間くらいで終わります」と言われても、施主が「もう少しじっくり見たい」と言えば、対応してくれます。
ここで時間を惜しまないことが、後の安心につながります。

確認ポイント①保証内容の再チェック
引き渡し前に、必ずやってほしいのが保証内容の再確認です。
基本保証は法律で決まってる
新築住宅には、法律で定められた基本保証があります。
主に2つ:
- 構造体の保証(主要構造部分)
- 雨水の侵入を防ぐ部分の保証
これは、業者がどこでも、必ずついてる保証です。
問題は、この基本保証以外の部分。
基本保証以外の内容を、現地で確認する
業者によって、基本保証以外にも:
- 設備機器の保証(キッチン・浴室・トイレなど)
- 内装の保証(クロス・床など)
- 外構の保証
- アフターサービスの内容(定期点検の頻度など)
これらの内容は、業者によって全然違います。
過去の記事「安心保証の罠」でも書きましたが、保証は「ある/ない」だけじゃなく、期間と範囲が大事です。
引き渡しの場で、保証書を業者と一緒に開いて、1項目ずつ確認してください。
気になるところも、引き渡し前に確認
保証内容以外で、「これ気になるんだけど」っていう点があれば、引き渡し前に必ず確認しておきましょう。
- 「この部分の仕上げ、こうなる予定だったよね?」
- 「この設備の使い方を改めて教えてほしい」
- 「ここの隙間、これで正常?」
引き渡し前なら、業者は丁寧に対応してくれます。「気になることは、今のうちに」を徹底してください。

確認ポイント②外壁の傷
ここからは、目に見える「傷」のチェック。まずは外壁から。
外壁を一周して確認
家の周りを一周して、外壁の状態を確認してください。
- 傷がないか
- 汚れがないか
- 色ムラがないか
- シーリングのひび割れがないか
特に注意したいのが、足場を外した後にできた傷。工事の最終段階で、思わぬところに傷がついてることがあります。
引き渡し後に気づくと、責任の所在が曖昧に
外壁の傷を引き渡し後に気づくと、こんな問題が起きます:
- 「引っ越し時についた傷では?」と疑われる
- 「子供がぶつけた可能性は?」と聞かれる
- 結果、自費で修理することに
引き渡し前なら、「業者の責任」として対応してもらえます。
写真を撮っておく
確認時に写真を撮っておくのもおすすめです。
「引き渡し時、この状態だった」という記録になります。
後で「ここに傷がある」となった時、写真があれば「引き渡し時にはなかった」「あった」が明確になります。

確認ポイント③床の傷
次は、室内の床。
全部屋を、しゃがんで見る
床の傷は、しゃがんで目線を低くすると見えやすくなります。
- フローリングの傷
- 凹み
- 汚れ
- 浮き(端の方が浮いてないか)
立った状態だと気づかない傷でも、しゃがむと光の反射で見えてきます。
特に動線上を念入りに
すべての部屋を確認するのは大変なので、動線上(よく歩くところ)を念入りに見てください。
- 玄関〜リビング
- リビング〜キッチン
- 廊下
- 階段
工事中、職人さんが何度も歩いた場所は、傷がつきやすいです。
床は引き渡し後の傷判定が難しい
床も、外壁と同じく引き渡し後だと責任の所在が曖昧になります。
「引っ越しの家具で傷つけた?」「子供のおもちゃで?」と、自分でつけた傷扱いになる可能性があります。
引き渡し前にしっかり確認することで、業者の責任で対応してもらえます。

確認ポイント④壁の傷
最後は、壁(クロス)の確認です。
クロスの傷・剥がれ・汚れ
新築の壁は、ほぼクロスが貼られてます。
- 傷
- 剥がれ
- 継ぎ目の浮き
- 汚れ
クロスは、特に継ぎ目を見てください。施工が雑だと、継ぎ目が浮いてたり、隙間が見えたりします。
コーナー部分は念入りに
クロスで傷みやすいのがコーナー(角)の部分。
- 壁と壁が交わる角
- 壁と天井が交わる角
- ドア枠の周り
ここは、工事中も傷つきやすく、クロスの施工も難しい場所です。念入りに確認してください。
壁紙の品番も確認しておく
これは予備知識として。
新築のクロスは、品番が記録されてます。後で部分的に補修する時、同じクロスで対応できるようにするためです。
業者に「クロスの品番リスト」をもらっておくと、将来役に立ちます。

まとめ(前編)
前編のポイントを、まとめます。
なぜ引き渡し前が大事か
- 工事中は業者に任せていいが、引き渡し前は別
- 引き渡し後だと対応が変わる
- 「最後の機会」と意識する
確認ポイント(前編)
- 保証内容の再チェック:基本保証(構造体・雨水侵入)以外の内容を確認、気になるところも引き渡し前に確認
- 外壁の傷:一周して確認、写真を撮っておく
- 床の傷:しゃがんで目線を低くして確認、動線上を念入りに
- 壁(クロス)の傷:傷・剥がれ・継ぎ目の浮きをチェック、コーナー部分は特に念入りに
ここまでが、「目に見える部分」の確認でした。
実は、引き渡し前に確認すべきことは、もう少しあります。点検口を開けて中を見たり、水圧や排水の流れを確認したり——少し踏み込んだチェックです。
これらは、次回の後編で解説します。
「目に見えるとこだけじゃなく、もうちょい踏み込んだチェックを知りたい」って施主さんは、次回の後編もぜひ読んでください。
業界の中の人として、これからも施主が知らずに損する仕組みを、正直に伝えていきます。
次回予告
次回は「引き渡し前にやること。設備と配管の確認(後編)」。
床下・天井点検口の見方、水圧の確認、排水の流れのチェック方法など、もう少し踏み込んだポイントをお伝えします。
もしまだ読んでない方は、過去の記事もぜひ:


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