新築の外構で、目隠しフェンスを考えている方へ。
一番最初に迷うのが、たぶん高さだと思います。
- 何cmあれば隠れるのか
- 高くすれば安心なのか
- ブロックの上に載せる場合はどうなるのか
高さの目安として「1.8m以上で完全な目隠し」という数字がよく出てきます。
でも、現場の感覚で言うと、そこまで要りません。基礎も合わせて1.6mくらいで十分だと思っています。
この記事では、高さの決め方と材料の選び方を書きます。あわせて、多くの人が心配している場所が、実は間違っているという話もします。
→ そもそもメッシュか目隠しかで迷っている方は、こちらから読んでください:新築のフェンス、なぜメッシュになる?施工管理がすすめる目隠しフェンスの正解
高さは「基礎込みで1.6m」で足ります

まず、数字から言います。
1.8mなら確かに隠れます。でも代償があります
道路面から1.8mあれば、ほぼ完全に目隠しになります。これは間違いありません。
ただ、そこまで上げると2つの代償が出ます。
- 圧迫感が出ます。家の中から見ても、外から見ても壁です
- 金額が上がります。高くなるほど柱も基礎も大きくなるので、単純に材料代だけの話ではありません
現場の感覚では1.6mくらい
ブロックの基礎部分も合わせて1.6mくらいあれば、実用上は十分だと思います。
完全に見えなくなるわけではありません。でもお互いに視線が合わない程度にはなります。目隠しフェンスの目的は、たいていそこです。
20cmの差ですが、圧迫感も金額もかなり変わります。
ただし「これなら間違いない」という数字はありません
正直に書いておきます。
「1.6mにしておけば絶対大丈夫」ということではありません。条件で変わるからです。
- 都会と田舎で、隣家との距離がまったく違う
- 土地に高低差があると話が変わる。隣が一段高ければ、同じ高さでも効き方が違う
- 隠したいのが道路からの視線なのか、隣の家の窓からなのかでも変わる
だから数字だけ持っていっても、答えは出ません。
本当に大事なのは「どこに立てるか」
高さより先に決めるべきなのは、設置する場所です。
敷地をぐるっと全部囲う必要はありません。本当に視線が気になる面はどこか。そこを業者と一緒に現地で確認する。この打ち合わせを飛ばさないことが、一番効きます。
実際に立ってみて、「ここから見えるな」「ここは建物で隠れてるな」と確認する。この打ち合わせを飛ばして、カタログだけで決めると外します。
ブロックの上に載せるとき、知っておくこと

目隠しフェンスは、ブロックを数段積んで、その上に立てる作り方がよくあります。ここに注意点があります。
何段積めるかは、基礎次第です
よく「ブロックは何段まで積めますか」と聞かれますが、決まった段数があるわけではありません。
フェンスは、高くなるほど柱を深く埋める必要があります。風や力を受けたときに、根元で支えることになるからです。
だから「ブロックを何段積んで、その上にどれだけのフェンスを立てられるか」は、下の基礎がどれだけしっかりしているかで決まります。段数だけ先に決めることはできません。
→ 基礎の考え方は、物置の記事にも書いています:物置、置く前に考えてほしいこと。基礎と置き場所の話
既存のブロックに載せるのはアリ。ただし条件があります
すでにブロック塀がある場合、その上にフェンスを載せること自体はできます。
ただし、ブロックの厚みによって、選べるフェンスが決まります。厚みが足りなければ、載せられるフェンスの種類も高さも限られます。「カタログで気に入ったやつ」が載るとは限りません。
昔のブロックは、脆いです
これは正直に書きます。古いブロック塀は、脆いという印象しかありません。
ブロック塀には建築基準法の決まりがあります。整理するとこうです。
| 項目 | 鉄筋入り | 鉄筋なし |
|---|---|---|
| 高さの上限 | 2.2m以下 | 1.2m以下 |
| 壁の厚さ | 10cm以上(2m超は15cm以上) | — |
| 控え壁 | 高さ1.2m超なら3.4mごと | 4mごと |
| 基礎の根入れ | 30cm以上 | 20cm以上 |
注目してほしいのは、鉄筋が入っていない場合は1.2mまでという点です。
古いブロック塀は、中に鉄筋が入っていないことがあります。そうなると、そもそも高く積めないものの上に、さらにフェンスを載せることになります。
予算が許すなら、積み直す方が安心です。
→ 古い構造物の中身が分からない話は、擁壁の記事にも書きました:古い擁壁のある土地は、わざわざ選ばなくていい
風は、そんなに心配しなくていいです

ここからが、たぶん意外に思われる話です。
「風で倒れそう」はよく聞きます
目隠しフェンスは隙間がないので、風をまともに受けます。メッシュフェンスなら風が抜けますが、目隠しは壁と同じです。
だから「台風で倒れないか」と心配する方は多いです。
でも、風だけで倒れた現場はあまり見ません
正直なところ、風でフェンスだけが倒れるという経験は、あまりありません。
理由はシンプルで、メーカーが風圧に対してしっかり検証しているからです。製品ごとに、どれくらいの風に耐えられるか、そのためには柱をどう設置するかが決められています。
メーカーの仕様どおりに施工してあれば、基本的には大丈夫だと思っています。
本当に多いのは、根元の経年劣化です
では何で倒れるのか。柱の根元が劣化して、折れて倒れるパターンです。
柱はアルミのものもスチールのものもありますが、弱ってくるのはだいたい同じ場所です。
ブロックのすぐ上、モルタルとの境目の部分。
ここが長年の雨や湿気で傷んできます。逆に言えば、ちゃんと施工してあれば20年は持ちます。
つまりこれは、施工不良の話ではなく寿命の話です。永久に持つものではない、ということです。
施主が見るなら、根元です
もし今あるフェンスが気になるなら、見るのは上じゃなくて根元です。
ブロックとフェンスの柱が接している部分。そこにひび割れやぐらつきがないか。ここが傷んでいるフェンスは、強い風が来たときに危ないです。
新築で入れる場合も、20年後にここを直すことになると頭に入れておくと、材料選びの判断が変わってきます。
材料はアルミが無難です

最後に材料の話です。
一番長持ちするのはアルミ
アルミのフェンスが、一番長持ちします。迷ったらこれでいいと思います。
見た目にこだわるなら、アルミの柱に樹脂の板を組み合わせたタイプもおすすめです。かなりおしゃれになりますし、長持ちします。
ただし樹脂の板には一つクセがあります。伸び縮みが大きいので、熱に弱いです。直射日光が強く当たる面に使うときは、業者に一言確認しておくといいです。
木のフェンスは、おすすめできません
見た目は良いです。でもメンテナンスの手間がかなりかかります。
- 2〜3年おきに塗装しないと持ちません
- 腐ってくると見た目が一気に悪くなります
- シロアリの被害もあります
家のすぐそばにシロアリを呼び込む材料を置くことになるので、この点は特に気をつけてほしいところです。
憧れる気持ちは分かりますが、現場の人間としては勧められません。
予算と見た目、両方は取れません
最後に、はっきり書いておきます。
「予算はないけど見た目にはこだわりたい」は成立しません。
- 見た目にこだわるなら、お金はかかります
- 予算を抑えるなら、どこかで割り切りが要ります
外構は、家の予算が決まった後に考え始める方が多いので、ここでつまずきます。最初から外構の予算を見ておくと、こういう無理な注文をしなくて済みます。
まとめ

整理します。
高さ
- 道路面から1.8mあればほぼ完全に隠れる。ただし圧迫感と金額の代償がある
- 基礎込みで1.6mくらいあれば、お互いに視線が合わない程度にはなる
- ただし「これなら間違いない」という数字はない(都会と田舎、高低差で変わる)
- 高さより先に、どこに立てるかを業者と現地で決める
ブロックとの関係
- 何段積めるかは基礎次第。フェンスが高いほど柱を深く埋める必要がある
- 既存のブロックに載せるのはアリだが、厚みで選べるフェンスが決まる
- 昔のブロックは脆い。鉄筋が入っていないものは1.2mまでしか積めない
- 予算が許すなら積み直す方が安心
風と劣化
- 風はそこまで心配しなくていい(メーカーが検証済み、仕様通りなら大丈夫)
- 本当に多いのは、柱の根元の経年劣化
- 弱るのはブロックのすぐ上、モルタルとの境目
- ちゃんと施工してあれば20年は持つ
材料
- アルミが一番長持ち。アルミ柱+樹脂板もおしゃれで長持ち(樹脂は熱に弱い)
- 木はメンテナンスが大変でおすすめできない(2〜3年おきの塗装、腐り、シロアリ)
- 予算と見た目、両方は取れない
目隠しフェンスは、カタログを見て高さを決める買い物ではありません。敷地に立って、どこからどう見えるかを確認して、そこから決めるものです。
その手間をかけるかどうかで、仕上がりが変わります。
業界の中の人として、これからも施主が知らずに損する仕組みを、正直に伝えていきます。


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