「新築一戸建て 1,000万円から!」
「夢のマイホーム、坪50万円〜」
ハウスメーカーの広告や看板で、こんな表記を見たことありませんか?
「え、1,000万で家建つの?」って思って、見学会に行った経験ある施主さんも多いはず。
でも、今までの経験から、正直にお伝えします:
この「◯◯円から」表記、実際の総額とは大きく違うんです。
1,000万円から、と書いてあっても、実際に住める状態にすると3,000万円以上になることがほとんど。広告と現実で、2,000万円以上の差が出るんです。
これ、HMが悪いという話じゃありません。広告の表記方法として、本体工事費だけを目立たせるのが業界の慣行になってるんです。法律的にも問題ありません。
ただ、施主側が「広告の数字 = 総額」と勘違いすると、後で痛い目に遭います。
この記事では、HMの広告に含まれない費用、実際の総額イメージ、そして施主が見落とさないための対策を、現場目線でお伝えします。
「広告の安さに惹かれて見学会に行きそう」「でも、本当の総額が知りたい」って施主さん、必読です。
HMの「◯◯円から」広告のからくり

まず、なぜHMの広告は「◯◯円から」表記が多いのか整理しましょう。
「◯◯円から」は集客のための広告手法
「1,000万円から」「坪50万円〜」という表記、集客のために作られた広告手法です。
施主目線で考えると:
- 「2,500万円〜」と書く → 「高そう」と感じる
- 「1,000万円〜」と書く → 「安い、見に行こう」と感じる
業者側からすると、最初に見学会に来てもらうことが大事。なので、最小構成の本体価格を前面に出すんです。
法律的にはOK、施主側が誤解するだけ
実は、この広告手法、法律的には問題ないです。
- 「1,000万円から」=「最小構成でこの価格から、という意味」
- 細かい字で「※本体工事のみ。別途費用が必要です」と書いてある
- 法的にはちゃんと注意書きしてる
ただし、多くの施主は「1,000万円で家が建つ」と誤解するんです。
業界の慣行になってる
ハウスメーカー業界全体で、この表記方法が慣行化してます。
- A社が「1,500万円から」と表記
- B社が「1,200万円から」と表記
- C社が「1,000万円から」と表記
- → 一見、C社が一番安く見える
でも実際は、3社とも最終的に同じくらいの総額になることが多い。
施主は、広告の数字に惑わされず、総額で判断する必要があります。
広告の「本体価格」に含まれないもの

「じゃあ、広告の本体価格に何が含まれてないの?」
ここからが、現場目線の本音です。意外と多いので、施主さんはビックリするかもです。
地盤調査費・地盤改良費
家を建てる前に、必ず地盤の状態を調べます。
- 地盤調査費:5万円〜10万円程度
- 地盤改良費:必要な場合、50万円〜200万円(地盤の状態による)
地盤が弱い土地だと、地盤改良が必須。これだけで、広告価格に数十万円〜200万円が上乗せされます。
仮設費
工事中に必要な、仮設の費用もあります。
- 仮設足場
- 仮設電気・水道
- 仮設トイレ
これら、施主にとっては「え、これ別なの?」って感覚かもですが、広告の本体価格には含まれてないことが多いです。
給排水・電気の外部配管工事
家の中の配管・配線は本体工事に含まれてますが、外部の配管・配線は別費用のことが多いです。
給排水の外部配管:
- 道路から敷地内への配管引き込み
- 敷地内の配管工事
- 雨水排水の処理
電気の引き込み工事:
- 電柱から敷地内への引き込み
- 敷地内の配線工事
- 場合によっては電柱新設も
これらも、それぞれ数十万円〜100万円かかる可能性があります。土地の状況によって、敷地内に電柱を新設する必要があると、さらに費用が上がります。
樋(雨樋)
これ、施主さんが聞いてビックリするやつ:
雨樋(あまどい)が、本体価格に含まれてないHMもあるんです。
「樋なしの家なんて成立せんやろ!」って思いますよね。当然、後で別費用として追加されます。
数十万円の話なので、見落とすと痛い項目です。
カーテンレール・照明器具
「家が完成して、引っ越したら…カーテンレールも照明器具もない!」
これ、結構あるパターン。
- カーテンレール:数万円〜10万円
- 照明器具:10万円〜30万円(部屋数による)
「え、これ別なの?」って思うやつですが、多くのHMで別途費用です。
外構工事
家の周りの工事(駐車場、塀、門、植栽など)が外構工事。
これも、ほぼ100%本体価格に含まれてないです。
- 簡易的な外構:100万円〜200万円
- こだわった外構:300万円〜500万円
2記事目「外構分離発注」でも書きましたが、外構費は侮れない金額です。
その他、見落とされがちな費用
他にも、見落とされがちな費用がいろいろあります:
- 設計料・申請費(諸経費)
- 火災保険・地震保険
- 登記費用
- 引っ越し費用
- 仮住まい費(建て替えの場合)
- 解体費(建て替えの場合)
これら全部合わせると、簡単に数百万円になります。
実際の総額イメージ

ここまで読んで、「じゃあ、結局いくらかかるん?」って思いますよね。
今までの経験から、ざっくりお伝えします。
1,000万円〜の広告 → 実際は3,000万円以上
「1,000万円から建てられます!」って広告のHMで、実際に住める状態まで仕上げると、3,000万円以上になることが多いです。
つまり、広告と現実で約2,000万円の差。
内訳イメージ:
- 本体工事(広告の価格):1,000万円
- 地盤改良費:100万円
- 仮設費・外部配管:100万円
- 樋・カーテンレール・照明:50万円
- 外構工事:200万円
- 諸経費(設計料、申請費等):200万円
- オプション・グレードアップ:500万円〜1,000万円
- 引っ越し費用:50万円〜100万円
- その他:残り
→ 総額3,000万円以上になるのが、現場で見てきたリアルです。
なぜここまで差が出るのか
主な理由は3つ:
①最小構成の本体価格
- 広告は「この価格から」という最小構成
- 実際に住める仕様にするには、グレードアップが必須
②付帯工事の積み重ね
- 地盤改良、仮設、外部配管など
- 1個1個は数十万円でも、積み重なると数百万円
③諸経費・オプションの上乗せ
- 設計料、申請費
- キッチン、お風呂のグレードアップ
- 床材、壁紙の選択
「安い」と思って選んだら、結局他社と同等以上
施主が痛い目に遭うパターン:
「A社は1,000万円〜だから、A社にしよう!」と契約
↓
打ち合わせ進める
↓
「これは別費用です」「これも別費用です」と次々追加
↓
最終的に3,000万円以上
↓
「他社の2,800万円の方が安かった…」と後悔
これ、広告だけで判断した結果です。
広告の数字じゃなく、総額で比較するのが、施主の自衛策です。
施主が見落とさないための対策

じゃあ、施主はどう動けばええか。具体的な対策を提案します。
対策①「総額予算」で業者と話す
業者と最初に話す時、「総額でこれくらいの予算です」と伝えてください。
- ✗「本体工事で◯◯万円が予算です」
- ✅「総額で◯◯万円が予算です」
業者は「総額予算」を伝えられると、その範囲で現実的な提案をしてくれます。
「本体工事の予算」と言うと、付帯工事やオプションで上乗せされて、結局オーバーします。
対策②「これに含まれない費用は?」と必ず質問
見積もりが出てきたら、必ずこの質問:
「この見積もりに含まれない費用は何ですか?」
ええ業者は、
- 「地盤改良費は地盤調査の結果次第で発生します」
- 「外構工事は別途見積もりです」
- 「カーテンレール・照明器具はオプションです」
と、正直に教えてくれます。
逆に、曖昧な答えや「そこは後で…」って言葉が出てきたら、要注意です。
対策③詳細な見積もりを契約前に確認
15記事目「ええ業者の特徴」でも書きましたが、見積もりの詳細さは業者選びの重要ポイント。
- 「一式」で書かれてる項目が多い → 心配
- 1項目ずつ明細化されてる → ええ業者
- 追加費用の可能性も事前に説明 → さらにええ業者
契約前に、詳細な見積もりを必ず確認してください。
対策④複数社で「総額」を比較する
A社・B社・C社の見積もりを比較する時、広告価格じゃなく総額で比較してください。
- A社:広告1,000万円〜、総額見積もり3,200万円
- B社:広告1,500万円〜、総額見積もり2,800万円
- C社:広告1,200万円〜、総額見積もり2,900万円
→ 広告だけ見たらA社が安いけど、総額ではB社が一番安い。
最低3社で総額比較してください。
まとめ

長くなったので、まとめます。
HMの「◯◯円から」表記の現実
- 集客のための広告手法(業界の慣行)
- 本体価格のみ表示で、付帯工事は別
- 1,000万円〜の広告 → 実際は3,000万円以上
- 広告と現実で2,000万円以上の差
広告に含まれないもの(主な項目)
- 地盤調査費・地盤改良費
- 仮設費
- 給排水・電気の外部引き込み工事
- 樋(雨樋)
- カーテンレール・照明器具
- 外構工事
- 諸経費・オプション
施主が見落とさないための4つの対策
- 「総額予算」で業者と話す
- 「これに含まれない費用は?」と質問
- 詳細な見積もりを契約前に確認
- 複数社で総額比較(広告じゃなく総額)
HMの「◯◯円から」って広告、別に騙そうとしてるわけじゃありません。業界の広告慣行として、本体価格のみを目立たせてるだけ。
ただ、施主側が「広告の数字 = 総額」と勘違いすると、後で痛い目に遭います。
「総額」で考える。「見積もりに含まれない費用」を必ず確認する。
このシンプルなルールを守るだけで、広告と現実のギャップで損することを防げます。
業界の中の人として、これからも施主が知らずに損する仕組みを、正直に伝えていきます。
次回予告
次の記事では、また現場で見てきた情報を、施主目線で翻訳してお届けします。
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